インタビュー取材の企画書とは？例文やテンプレート付き

「インタビュー記事、うちもやりたいけど…何から始めたらいいんだろう？」

広報やオウンドメディアの運用を任されていると、そんな風に立ち止まる瞬間はありませんか。企画の立て方、構成案の作り方、社内調整など、なんとなくのイメージはあるけれど、いざ進めようとすると手が止まる。

そこで本記事では、社外インタビュー企画の立ち上げを検討している担当者に向けて、企画書の基本構成や外注時の注意点、進行をスムーズにするコツまで具体的にご紹介します。

本記事をお読みいただくことで、インタビュー記事の企画書作成のポイントを理解し、自社メディアのインタビューを円滑に進めることができるようになりますので、是非とも最後までお読みください。

インタビュー取材の企画書とは？

インタビュー取材の企画書とは、取材を行う際に必要な情報や目的を整理し、関係者に伝えるための文書です。

この企画書は、インタビューの目的や内容を明確にし、取材対象者に対してどのような価値を提供できるかを示す重要なツールとなります。

企画書には、取材の背景やテーマ、ターゲットオーディエンス、取材の流れなどが含まれます。これにより、取材対象者は自分がどのように関与するのかを理解しやすくなり、安心して取材に応じることができます。

関連記事: インタビュー記事とは？書き方と作り方！当日の手順も紹介

企画書に必要な項目

インタビュー取材の企画書を作成する際には、いくつかの重要な項目を含めることが求められます。

No	内容	詳細
1	挨拶	取材対象者に対して、敬意を表し、良好な関係を築く。
2	メディア概要	メディアのテーマやトラフィックデータを記載し、メディアの信頼性や影響力を理解いただく。
3	ターゲット	メディア自体のターゲット、また記事コンテンツのターゲットついても記載する。
4	企画概要	インタビューを行う理由や得たい情報についてまとめる。
5	取材時の質問事項	企画に沿って、実際に質問する項目を記載する。
6	記事のイメージ	どのようなトーンで読者に届けたいのかを記載する。
7	取材の条件	報酬や謝礼金について記載する。
8	希望の日時・場所	取材対象者の都合を考慮し、希望場所と日程候補を記載する。
9	取材チーム	インタビュアー、カメラマンなど、当日同行する人員を記載する。
10	掲載予定日	取材から、執筆、編集、最終確認を経て公開に至るまでのプロセスを記載する。
11	連絡先	取材関係者の最新のメールアドレス、電話番号を記載する。

以下に、企画書に必要な主な項目を紹介します。

挨拶

インタビュー取材の企画書において、挨拶は非常に重要な要素です。

まずは、取材対象者に対して敬意を表し、感謝の気持ちを伝えることで、良好な関係を築く第一歩となります。挨拶文は、相手に対する配慮や、取材の目的を簡潔に説明する場でもあります。

具体的には、「この度はお忙しい中、私たちのインタビュー企画にご協力いただき、誠にありがとうございます。」といった形で始めると良いでしょう。

その後、インタビューの趣旨や目的を明確に伝えることで、相手が何を期待されているのかを理解しやすくなります。

メディア概要(テーマやトラフィックなど)

記事が掲載されるメディアの基本情報の掲載も重要です。

企画の背景や目的を明確にし、取材対象者に対してメディアの特性を伝える役割を果たします。具体的には、メディアのテーマやコンセプト、ターゲットオーディエンス、そして過去のトラフィックデータなどを盛り込むことが求められます。

まず、メディアのテーマについては、どのような内容を扱っているのか、どのような視点で情報を提供しているのかを簡潔に説明します。

例えば、「ビジネスに関する最新トレンドを取り上げ、専門家の意見を交えながら深掘りするメディア」といった具体的な表現が効果的です。

次に、トラフィックデータについては、月間の訪問者数やページビュー数、ユーザーの属性などを示すことで、メディアの影響力や信頼性をアピールできます。

ターゲット

メディアのターゲット記載も必要です。

まず、ターゲットの年齢層や性別、職業、趣味などのデモグラフィック情報を考慮しましょう。例えば、ビジネスパーソンを対象とする場合、業界や職種に応じた具体的なニーズや関心を把握することが求められます。

次に、ターゲットの情報収集の手段も考慮する必要があります。どのメディアを通じて情報を得ているのか、どのようなコンテンツに興味を持っているのかをリサーチすることで、インタビュー記事の内容やアプローチを最適化できます。

企画概要

企画概要部分では、インタビューの目的やテーマ、そしてその背景を明確に示す必要があります。

具体的には、なぜこのインタビューを行うのか、どのような情報を得たいのかを簡潔にまとめることが求められます。

さらに、企画概要にはインタビューの形式や予定している質問の大まかな内容も含めると良いでしょう。これにより、取材対象者がどのような内容に対して答えることになるのかを理解しやすくなります。

関連記事: インタビュー記事の形式は3つ？各特徴と書き方のコツを徹底解説！

取材時の質問事項

インタビュー取材を成功させるためには、事前に準備した質問事項が不可欠です。

質問は、インタビューの目的やテーマに基づいて構成されるべきであり、取材対象者が話しやすい環境を作るための工夫も必要です。

質問事項は、オープンエンドの質問とクローズドエンドの質問をバランスよく組み合わせることが効果的です。オープンエンドの質問は、対象者が自由に意見や経験を語ることを促し、より深い洞察を得ることができます。

一方、クローズドエンドの質問は、具体的な情報を得るために役立ちます。

例えば、「あなたのキャリアの中で最も印象に残っている出来事は何ですか？」というオープンエンドの質問と、「その出来事はいつ起こりましたか？」というクローズドエンドの質問を組み合わせることで、より豊かな情報を引き出すことができます。

記事のイメージ

記事のイメージを明確にすることで完成した成果物のイメージがしやすくなります。

記事のイメージとは、最終的にどのような内容やトーンで読者に届けたいのかを具体的に描くことを指します。このセクションでは、記事のイメージをどのように設定し、企画書に反映させるかについて解説します。

まず、記事のイメージを考える際には、インタビューを通じて得られる情報やメッセージを中心に据えることが大切です。

例えば、インタビュー対象者の専門性や経験を強調したい場合、その内容がどのように読者に響くのかを考慮し、具体的なエピソードや引用を想定しておくと良いでしょう。

また、記事のトーンやスタイルも重要な要素です。カジュアルな対話形式を採用するのか、フォーマルな報告書のようにまとめるのか、ターゲット読者に合わせたスタイルを選ぶことが求められます。

取材の条件(ギャランティ・謝礼金)

取材対象者に対するギャランティや謝礼金について明確にすることも重要です。

まず、ギャランティとは、取材対象者に支払う報酬を指します。これは、取材の内容や時間、対象者の知名度などによって異なるため、事前にしっかりとした予算を設定し、相手に納得してもらえる金額を提示することが求められます。

さらに、謝礼金は、取材に協力してくれたことへの感謝の意を示すための金銭的な報酬です。

謝礼金は、ギャランティとは異なり、必ずしも支払う必要はありませんが、相手に対する配慮として用意することが望ましいです。

関連記事: インタビュー記事の謝礼金の相場とは？謝礼を決める要素を解説！

希望の日時・場所

希望の日時と場所も明確に記載しましょう。

まず、取材対象者の都合を考慮し、複数の候補日を提示するようにしましょう。これにより、相手が選びやすくなり、スケジュール調整がスムーズに進む可能性が高まります。

また、取材場所についても、相手がリラックスできる環境を選ぶことが大切です。例えば、カフェやオフィスの会議室など、静かで落ち着いた場所を提案することで、インタビューの質を向上させることができます。

取材チーム

取材チーム構成の記載もインタビューを成功させるためには不可欠です。

取材チームは、取材の目的や内容に応じて、必要なスキルや役割を持ったメンバーで構成されるべきです。

まず、インタビュアーは取材の中心となる役割です。インタビュアーは、質問を通じてインタビュー対象者から情報を引き出す能力が求められます。

さらに、カメラマンやビデオグラファーは、取材の様子を記録する役割を担います。特に映像や写真が必要な場合、専門的な技術を持ったメンバーがいることで、質の高いコンテンツを制作することができます。

掲載予定日

完成したインタビュー記事の掲載予定日も明記しましょう。

この項目は、取材を受ける側にとっても、取材を行う側にとっても、スケジュール管理や期待感を持つための指標となります。

具体的には、取材が行われた後、どのタイミングで記事が公開されるのかを明確に示すことで、関係者全員が同じ認識を持つことができます。

掲載予定日を設定する際には、取材から記事の執筆、編集、最終確認を経て公開に至るまでのプロセスを考慮する必要があります。

連絡先

インタビューの窓口となる担当者の連絡先は必ず明記しましょう。

取材対象者や関係者とのコミュニケーションを円滑に進めるためには、正確で明確な連絡先情報を提供する必要があります。具体的には、担当者の名前、電話番号、メールアドレスなどを記載します。

また、連絡先は単に情報を提供するだけでなく、信頼感を醸成する役割も果たします。特に、初めての取材依頼の場合、相手が安心して連絡を取れるようにするためには、迅速に対応できる体制を整えておくことが大切です。

インタビュー記事の企画書の記載例

下記は、COUNTER MEDIAにて過去に作成した記事の完成を想定したインタビュー記事の企画書の一部となります。

COUNTERで使用しているインタビュー企画書の実物ファイル

上記のインタビュー企画書テンプレートをダウンロード

上記のように、A4用紙に記載し、要点をまとめていきましょう。

これから要点をまとめるのが煩わしい方は、下記リンクからGoogle Documentファイルをダウンロードできますので、是非ともご活用ください。

インタビュー記事の企画書を作成するポイント

インタビュー記事の企画書を作成する際には、次にあげるようなポイントを押さえておくことが成功の鍵となります。

ここでは、各ポイントについて解説します。

簡潔にA4用紙1枚にまとめきる

インタビュー取材の企画書を作成する際、最も重要なポイントの一つは、情報を簡潔にA4用紙1枚にまとめることです。

限られたスペースの中で、必要な情報を的確に伝えるためには、要点を絞り込むスキルが求められます。企画書は、相手に興味を持ってもらうための第一歩ですので、冗長な表現や無駄な情報は避けるべきです。

事前リサーチを入念に行う

インタビュー取材を成功させるためには、事前リサーチが欠かせません。リサーチを通じて、取材対象者の背景や業績、業界のトレンドなどを把握することで、より深い質問を用意できます。

まず、取材対象者のプロフィールを確認しましょう。彼らの経歴や専門分野、過去のインタビュー記事などを調べることで、どのような視点や経験を持っているのかを理解できます。

また、業界の動向や競合他社の状況についてもリサーチを行い、取材対象者がどのようにその中で位置づけられているのかを考察することが重要です。

オリジナリティを出す

他のメディアと差別化を図ることも重要です。そのためには、オリジナリティを出すことが欠かせません。

まず、インタビューのテーマや質問内容に独自の視点を取り入れることが効果的です。例えば、一般的な質問に加えて、インタビュー対象者の個人的な経験や価値観に基づいた質問を用意することで、深い洞察を引き出すことができます。

また、インタビューの形式やスタイルにも工夫を凝らすことが大切です。例えば、対面でのインタビューだけでなく、オンラインでの対話や、動画形式でのインタビューを検討することで、視覚的な要素を加え、読者の興味を引くことができます。

取材に対する熱意を伝える

取材に対する熱意を伝えることも重要です。

なぜなら、取材対象者にとって、どれだけ自分の意見や経験が価値あるものであるかを理解してもらうことが、成功するインタビューの鍵となるからです。熱意が伝わることで、相手も心を開きやすくなり、より深い対話が生まれる可能性が高まります。

具体的には、企画書の中でなぜその人物にインタビューを行いたいのか、どのような視点やテーマで話を聞きたいのかを明確に示すことが求められます。

取材候補者のメリットやデメリットを理解する

インタビュー取材を成功させるためには、取材候補者のメリットやデメリットの理解が重要です。

まず、候補者のメリットとしては、取材を通じて自身の専門性や経験を広くアピールできる点が挙げられます。特に、業界内での認知度を高めたり、ブランドイメージを向上させたりする機会となるため、候補者にとっても大きなプラスとなります。

一方で、デメリットも考慮する必要があります。取材に応じることで、候補者は自身の意見や考えを公にすることになります。

まとめ

この記事では、企画書に必要な項目や作成のポイントについて詳しく解説しました。

挨拶やメディア概要、ターゲット設定、企画概要など、各項目をしっかりと押さえることで、取材対象者に対して魅力的な提案ができるようになります。

また、企画書を作成する際には、簡潔にまとめることや事前リサーチの重要性、オリジナリティを出すことが求められます。

インタビュー記事は、ただの情報発信にとどまらず、読者との信頼関係を築くための貴重な手段です。しっかりとした企画書をもとに、スムーズな取材を実現し、自社メディアの価値を高めていきましょう。