コンテンツマーケティングの失敗事例12選!企業がやりがちなミスと原因

コンテンツマーケティングは強力ですが、立ち上げ時や運用段階での失敗が後々の成果に大きく影響します。時間とコストをかけて取り組んだのに、成果がまったく見えないという結果に直面するケースは少なくありません。
本記事では、コンテンツマーケティングにおけるよくある失敗事例を紹介し、戦略の立案から運用・改善に至るまでの落とし穴を解説します。
本記事で紹介する内容
① コンテンツマーケの立ち上げや運用の失敗事例
② ブランド毀損やレピュテーションリスクによる失敗事例
③ コンテンツマーケティングの分析改善での失敗事例
失敗の原因を正しく理解することで、無駄を避けながら成果につながる施策を構築できます。結果として、信頼性と効果を兼ね備えたマーケティング運用が実現するでしょう。

X(旧: Twitter): @webkirin
COUNTER株式会社 代表取締役/SEOコンサルタント。
1993年生まれ。大学卒業後に外資系ITコンサルティング企業にてERP導入コンサルタントとして複数のシステム運用プロジェクトを経験。その後、CINCにてWebアナリスト、株式会社バンケッツにて不動産メディア事業責任者を経験し独立。フリーランスSEOコンサルタントを経験した後にニュートラルワークスにジョイン。SEO/コンテンツマーケティング戦略を得意分野とする。
◆ 経歴
2017年 日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社/システムエンジニア(SAP Basis)
2018年 キャップジェミニ株式会社/ITコンサルタント(SAP SD/MM)
2019年 株式会社CINC/Webマーケティングアナリスト
2019年 株式会社バンケッツ/事業責任者(不動産メディア事業)
2020年 独立/Webマーケティングコンサルタント
2022年 株式会社ニュートラルワークス/執行役員 SEOコンサルティングリード
2024年 COUNTER株式会社 代表取締役
◆ 得意領域
・SEO戦略策定から実装支援(データベース・コンテンツ)
・コンテンツマーケティング戦略策定から実装支援
コンテンツマーケティング立ち上げ時期の失敗事例

コンテンツマーケティングの立ち上げ時期は、成功への第一歩を踏み出す重要な段階です。
コンテンツマーケティング立ち上げ時期の失敗事例
① 目的を明確にせず開始してしまう
② 実現したい目的が多すぎる
③ 見込み顧客や競合などの市場分析を行っていない
実際にあった立ち上げ時期の失敗談をご紹介していきます。
目的を明確にせず開始してしまう
コンテンツマーケティングを始める際、明確な目的を設定することが重要です。目標を明確にしない場合、コンテンツが何を達成すべきかが不明確なため、方向性を失い、結果的に効果的なマーケティングが行えなくなります。
例えば、ブランド認知度を高めたいのか、リードを獲得したいのか、あるいは顧客とのエンゲージメントを深めたいのか、目的によって必要なコンテンツの種類やアプローチは大きく異なるため、事前リサーチが重要です。
さらに、目的が曖昧であると、コンテンツの評価基準も定まらず、成功を測る指標が不明確になります。コンテンツマーケティングを開始する前に、具体的で測定可能な目的を設定することが不可欠です。
実現したい目的が多すぎる
コンテンツマーケティングを立ち上げる際、企業が陥りがちな失敗の一つが、実現したい目的を多く設定しすぎることです。確かに、コンテンツマーケティングは多様な目的に対応できる柔軟性を持っていますが、目的が多すぎると、戦略が曖昧になり、リソースの分散を招いてしまいます。
例えば、ブランド認知の向上、リード獲得、顧客エンゲージメントの強化、SEO対策など、さまざまな目的を同時に追求しようとすると、各目的に対する具体的なアプローチが不明確になり、結果的にどれも中途半端な成果に終わることが多いのです。
対策として、まずは最も重要な目的を明確にし、それに基づいてコンテンツ戦略を構築することが重要です。例えば、初期段階ではブランド認知の向上に焦点を当て、その後にリード獲得や顧客エンゲージメントの強化を段階的に進めるといったアプローチが効果的です。
見込み顧客や競合などの市場分析を行っていない
コンテンツマーケティングを成功させるためには、見込み顧客や競合の市場分析が欠かせません。市場分析を行わないことで、ターゲットとなる顧客のニーズや関心を理解できず、コンテンツが響かないものになってしまうのです。
市場分析は、単にデータを収集するだけでなく、データを基にした戦略的な意思決定を行うための基盤となります。顧客の声を反映させたコンテンツを提供することで、ブランドの信頼性を高め、競争力を維持することが可能となるでしょう。
コンテンツマーケの運用における失敗事例

コンテンツマーケティングの運用段階では、さまざまな失敗が企業の成果に影響を及ぼすことがあります。
コンテンツマーケの運用における失敗事例
① 短期間での結果を求めがち
② 想定よりも費用がかかる
③ 担当者の属人性が高く離職が起きると場合がある
失敗事例を理解し、適切な対策を講じることで、コンテンツマーケティングの運用を成功に導けるようにしましょう。
短期間での結果を求めてしまう
コンテンツマーケティングを運用する際、多くの企業が短期間での成果を求める傾向があります。しかし、コンテンツマーケティングは一朝一夕で結果が出るものではなく、時間をかけて信頼を築き、ブランドの認知度を高めるプロセスが必要です。
短期間での結果を求めることで、ターゲットオーディエンスのニーズや興味を無視したコンテンツ制作が行われることもあります。コンテンツマーケティングは、顧客との関係を築くための長期的な戦略であるため、焦らずにじっくりと取り組む姿勢が重要です。
成功するためには、まずは明確な戦略を立て、ターゲットオーディエンスに対して価値のある情報を提供することが求められます。短期間での成果を期待するのではなく、持続可能な成長を目指すことが、結果的に企業の成功につながるのです。
想定よりも費用がかかり継続ができなくなる
コンテンツマーケティングを運用する際、予算の見積もりは重要です。例えば、コンテンツ制作にかかるコストや広告費、さらには外部の専門家を雇うための費用など、さまざまな要素が影響します。
また、コンテンツの質を維持するためには、定期的な更新や改善が必要です。追加のリソースが必要となり、初期の予算を超えることが少なくありません。特に、競合が激しい市場では、質の高いコンテンツを提供し続けることが求められるため、コストがかさむことを覚えておきましょう。
失敗を避けるためには、初期段階での詳細な予算計画が不可欠です。具体的には、各コンテンツの制作にかかるコストを正確に見積もり、予備費を設けることが重要です。また、運用中に発生する可能性のある追加費用についても考慮し、柔軟に対応できる体制を整えておくことが求められます。
担当者の属人性が高く離職が起きると誰も引き継げない
コンテンツマーケティングの運用において、担当者の属人性が高いことは大きなリスクを伴います。特定の担当者が全ての知識やノウハウを持っている場合、担当者が離職するとプロジェクト全体が停滞してしまう恐れがあります。
失敗を避けるためには、まずチーム内での情報共有やドキュメンテーションが不可欠です。定期的にミーティングを行うことで、チーム全体の理解を深めることができます。また、業務フローやコンテンツの制作プロセスを文書化し、誰でもアクセスできる状態にしておくことも重要です。
さらに、複数のメンバーがコンテンツ制作に関与することで、特定の担当者に依存しない体制を構築することもおすすめです。チーム全体のスキル向上にもつながり、より多様な視点からのコンテンツが生まれる可能性も広がるでしょう。
ブランド毀損やレピュテーションリスクによる失敗事例

コンテンツマーケティングにおいて、ブランド毀損やレピュテーションリスクは企業にとって深刻な問題です。
ブランド毀損やレピュテーションリスクによる失敗事例
① NG行為やコンプライアンスのルールが決まっていない
② 築き上げたいブランドや認知の方向性が明確化されていない
③ アクセス数やCVRだけを評価指標としてしまう
失敗事例を避けるためには、明確なルールと戦略を持ち、ブランドの方向性をしっかりと定めることが重要です。
NG行為やコンプライアンスのルールが決まっていない
コンテンツマーケティングを展開する際、NG行為やコンプライアンスのルールを明確に定めていないことは、企業にとって大きなリスクです。特に、インターネット上では情報が瞬時に拡散されるため、誤った情報や不適切なコンテンツが広まると、ブランドイメージを損なう可能性が高まります。
また、コンプライアンスのルールが不明確な場合、従業員が自主的に判断してコンテンツを作成することになり、意図しないNG行為を引き起こすこともあります。コンテンツマーケティングを行う前に、必ずNG行為やコンプライアンスに関するガイドラインを策定し、全社員に周知徹底することが重要です。
築き上げたいブランドや認知の方向性が明確化されていない
コンテンツマーケティングにおいて、ブランドや認知の方向性を明確にすることは重要です。ブランドのアイデンティティや価値観が不明確なままコンテンツを作成すると、ターゲットオーディエンスに対して混乱を招き、信頼を築くことが難しくなります。
コンテンツマーケティングを成功させるためには、まず自社のブランドが何を目指しているのか、どのようなメッセージを伝えたいのかを明確にする必要があります。明確な方向性を持つことで、ブランドの認知度を高め、顧客との信頼関係を築くことが可能となるのです。
アクセス数やCVRだけを評価指標としてしまう
アクセス数やコンバージョン率(CVR)は重要な指標ですが、依存することは大きなリスクを伴います。多くの企業が数値を追求するあまり、コンテンツの質やユーザーエクスペリエンスを軽視してしまうことがあります。
CVRの向上を目指すあまり、特定のターゲット層に偏ったコンテンツを作成することに注意しましょう。コンテンツマーケティングは、単なる数値の追求ではなく、顧客との関係構築やブランドの価値を高めることが本来の目的であることを忘れてはいけません。
アクセス数やCVRだけでなく、顧客のフィードバックやエンゲージメント率、ブランド認知度など、さまざまな指標を総合的に評価することが重要です。
コンテンツマーケティングの分析改善での失敗事例

コンテンツマーケティングにおいて、分析と改善は成功の鍵を握る重要なプロセスです。
コンテンツマーケティングの分析改善での失敗事例
① データ取得の設定をしておらず分析ができない
② KPIが設定されておらず改善すべき指標がわからない
③ 取得していない数値への影響を考慮せずに改善を進める
失敗を避けるためには、しっかりとしたデータ管理と明確な目標設定が不可欠です。
データ取得の設定をしておらず分析ができない
コンテンツマーケティングにおいて、データ分析は成功の鍵を握る重要な要素です。しかし、データ取得の設定を怠ると、分析ができず、戦略の見直しや改善が困難になります。
例えば、ウェブサイトのトラフィックやユーザーの行動を追跡するためのツールを導入していない場合、どのコンテンツが効果的であるかを把握できません。このような状況では、マーケティング施策の効果を測定ができず、無駄なリソースを投入する結果になりかねません。
また、データ取得の設定が不十分な場合、重要な指標を見逃すことも覚えておきましょう。コンバージョン率やエンゲージメント率など、ビジネスの成果に直結するデータを収集できないと、どの施策が成功しているのか、または失敗しているのかを判断できません。
コンテンツマーケティングを成功させるためには、初期段階でしっかりとデータ取得の設定を行い、分析が可能な状態を整えることが不可欠です。
KPIが設定されておらず改善すべき指標がわからない
コンテンツマーケティングにおいて、KPIの設定は成功の鍵を握る要素です。KPIが設定されていない場合、企業は何をもって成功とするのか、または失敗とするのかを判断する基準を失います。
コンテンツの質やターゲット層のニーズに応じた調整が行えず、結果として顧客の期待に応えられないコンテンツが増えてしまうこともあります。このような状況を避けるためには、初期段階で明確なKPIを設定し、それに基づいて施策を進めることが重要です。
KPIは売上やリード獲得数、顧客満足度など、ビジネスの目標に直結する指標を選ぶべきです。
取得していない数値への影響を考慮せずに改善を進める
コンテンツマーケティングにおいて、データ分析は重要な要素ですが、取得していない数値への影響を無視して改善を進めることは、致命的なミスを招く可能性があります。実際には効果的な施策を見逃したり、逆に効果が薄い施策を継続してしまうリスクが高まります。
また、取得していない数値がどのように全体のパフォーマンスに影響を与えるかを考慮しないまま改善策を講じると、リソースの無駄遣いや時間の浪費につながることもあります。失敗を避けるためには、まずは必要なデータをしっかりと取得し、分析することが不可欠です。
さらに、データ分析の結果をもとに、改善策を立案する際には全体の文脈を理解し、どの数値がどのように影響し合っているのかを把握することが重要です。
まとめ
コンテンツマーケティングは、企業にとって有効な手段ですが、成功には慎重な計画と実行が求められます。失敗事例から学ぶべきことは、目的の明確化や市場分析の重要性、運用段階での持続可能性の確保、そしてブランドの価値を守るためのルール設定です。
失敗を恐れず学びを活かしながら、戦略的に取り組む姿勢が大切と言えるでしょう。