SEOで重要な検索意図(インテント)とは!? 重要性や分析方法を紹介
SEOにおいて検索意図が重要ってよく言うけど、どう言った考え方なのかとか分析方法について知りたい。
上記のような疑問に答えるべく、本記事では以下について説明します。
本記事で説明する内容
① SEOにおける検索意図(インテント)について
② 検索意図(インテント)を調べる方法
③ 検索意図(インテント)に沿ったユーザーが求めるコンテンツを作る方法
本記事で説明する検索意図(インテント)について理解していれば、メディア運営をしていてユーザーがここから読みたいと思えるコンテンツを作れるようになるので、結果としてGoogleから評価されアクセス数も増加するはずです。今Webマーケティングに従事している人でしたら全ての人に読んでもらいたいと思っています。
X(旧: Twitter): @webkirin
COUNTER株式会社 代表取締役/SEOコンサルタント。
1993年生まれ。大学卒業後に外資系ITコンサルティング企業にてERP導入コンサルタントとして複数のシステム運用プロジェクトを経験。その後、CINCにてWebアナリスト、株式会社バンケッツにて不動産メディア事業責任者を経験し独立。フリーランスSEOコンサルタントを経験した後にニュートラルワークスにジョイン。SEO/コンテンツマーケティング戦略を得意分野とする。
◆ 経歴
2017年 日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社/システムエンジニア(SAP Basis)
2018年 キャップジェミニ株式会社/ITコンサルタント(SAP SD/MM)
2019年 株式会社CINC/Webマーケティングアナリスト
2019年 株式会社バンケッツ/事業責任者(不動産メディア事業)
2020年 独立/Webマーケティングコンサルタント
2022年 株式会社ニュートラルワークス/執行役員 SEOコンサルティングリード
2024年 COUNTER株式会社 代表取締役
◆ 得意領域
・SEO戦略策定から実装支援(データベース・コンテンツ)
・コンテンツマーケティング戦略策定から実装支援
SEOにおける検索意図(インテント)について
Webサイトを運用していて、検索エンジンからのアクセスを集めたい場合には検索意図(インテント)の理解は必須のスキルです。
検索意図(インテント)とは、検索エンジンを利用するユーザーの意図のことです。これを理解することは、ユーザーが何を求めて検索しているかがわかりますので、結果としてユーザーの要求を満たすコンテンツを届けることに繋がります。
一般的に、検索クエリは検索意図(インテント)に基づき、以下の3種類に分類されます。
検索クエリの種類
① トランザクショナルクエリ(取引型クエリ)
② インフォメーショナルクエリ(情報収集型クエリ)
③ ナビゲーショナルクエリ(案内型クエリ)
トランザクショナルクエリ(取引型クエリ)
トランザクショナルクエリ(取引型クエリ)とは、検索クエリのうち、「商品購入」や「申し込み」などの取引を意図したクエリを指します。
トランザクショナルクエリを入力するユーザーは商品の購買意欲が高いため、成約に繋げやすいキーワードであるため、必ず対策が必要な重要キーワードです。
インフォメーショナルクエリ(情報収集型クエリ)
インフォメーショナルクエリ(情報収集型クエリ)とは、検索クエリのうち、物事を調べる時に利用されるクエリを指します。
インフォメーショナルクエリの例としては、「gaiq とは」とか「gaiq 難易度」など、また「gaiq 受験手順」などクエリが多いです。「とは」「手順」「方法」などが複合キーワードとなることが多いです。
ナビゲーショナルクエリ(案内型クエリ)
ナビゲーショナルクエリ(案内型クエリ)とは、検索クエリのうち、特定のWebサイトやコンテンツにアクセスするための案内型のクエリを指します。
ナビゲーショナルクエリは別名として指名検索ともいい、「ZOZO TOWN」だとか「Yahoo Japan」などのサイト名が該当します。
他のキーワードとは異なり、Webサイトや商品の知名度が高い状態のため、すぐに対策をしても獲得できるわけではないため、上記のクエリでアクセス数が集まった後に獲得を狙いましょう。
検索意図(インテント)がどうして重要なのか!?
SEOにおいてユーザーの検索意図(インテント)はめちゃくちゃ重要です。例を交えて理由を説明します。
理由1: 似ているキーワードも異なる解釈を受けることがある
検索意図(インテント)を理解する上ではキーワードが似ていても全く異なる解釈がなされることがある点に気をつける必要があります。
例として、次のキーワードに注目してください。
「沖縄 旅行」
「沖縄 観光」
これら2つのキーワードで検索をすると、どんな検索結果が返ってくると思いますか?
それぞれの検索結果を確認してみたいと思います。
「沖縄 旅行」の検索結果(2020/1/8時点)
検索順位 | サイトカテゴリ | ページ内容 | サイトURL |
1 | 旅行ツアーパッケージDBサイト | 旅行ツアーの一覧ページ | https://www.his-vacation.com/theme/select/okinawa/air/ |
2 | 旅行ツアーパッケージDBサイト | 旅行ツアーの一覧ページ | https://www.his-j.com/kokunai/kanto/tour_info/okinawa/ |
3 | 旅行ツアーパッケージDBサイト | 旅行ツアーの一覧ページ | https://www.tour.ne.jp/j_tour/list/?dst=10 |
4 | 旅行ツアーパッケージDBサイト | コンテンツ詳細ページ | https://www.travel.co.jp/guide/matome/1252/ |
5 | 旅行ツアーパッケージDBサイト | 旅行ツアーの一覧ページ | https://www.jtrip.co.jp/j-okinawa/ |
全体的に旅行ツアー購入サイトが検索結果に表示されています。ほとんどがECサイトであることがわかります。4位に例外的にECサイト内のコンテンツ記事がありますが、「旅行」キーワードでは、商業系の検索結果が返ってくることがわかります。
ちなみに、「沖縄 旅行」はこの結果からトランザクショナル型のクエリであることがわかります。
「沖縄 観光」の検索結果(2020/1/8時点)
検索順位 | サイトカテゴリ | ページ内容 | サイトURL |
1 | 旅行系コンテンツサイト | コンテンツ一覧ページ | https://gurutabi.gnavi.co.jp/p47/ |
2 | 総合コンテンツサイト | コンテンツ詳細ページ | https://www.smartmagazine.jp/okinawa/article/sight/19970/ |
3 | 旅行系コンテンツサイト | コンテンツ詳細ページ | https://travel.rakuten.co.jp/mytrip/ranking/spot-okinawa/ |
4 | 総合コンテンツサイト | コンテンツ詳細ページ | https://spi-ra.jp/okinawa/47666 |
5 | 旅行ツアーパッケージDBサイト | 旅行ツアーの一覧ページ | https://www.travel.co.jp/guide/matome/86/ |
まず、DB系の予約サイトではなく、記事コンテンツを大量に保有するコンテンツ系のサイトがほとんどです。
またページ内容としても記事コンテンツが表示される場合がほとんどであり、「観光」のキーワードでは、特定の地域の観光情報が検索結果に現れることがわかります。
この結果から、「沖縄 観光」はインフォメーショナル型のクエリであることがわかります。
2つの検索クエリはとても似ていますが、それぞれのユーザーの検索意図は全く異なることがわかります。このように検索意図(インテント)をしっかり踏まえないと意図していない方向にユーザーが導いてしまいかねないので、注意が必要です。
理由2: RankBrainの導入で言外の意味も解釈
また最近では、Googleの検索エンジンにRankBrainが導入されました。RankBrainは検索クエリとサイトコンテンツの関連性を評価するAI型検索アルゴリズムであり、Googleの検索アルゴリズムの中でも極めて重要視されている指標の一つです。
Googleの検索エンジンの表示結果の中でクリック率の高いものやページ滞在時間などの指標と検索クエリとの関係をAIが評価しています。
関連ページ: Google RankBrain
検索意図(インテント)に沿ったユーザーが求めるコンテンツを作る手順
SEOにおける検索意図(インテント)が大変重要であることがわかったところで、ユーザーの入力した検索キーワードと検索意図が反映されたランディングページを作成することが大切です。
適切なコンテンツ作成のためには以下のポイントを抑える必要があります。
検索意図を盛り込んだ記事コンテンツの作成手順
手順1: 対策キーワードを設定する
手順2: キーワードを入力するユーザーが知りたい情報を分析し抽出する
手順3: ユーザーが次に悩むことを考え、記事に盛り込む
手順1: 対策キーワードを設定する
はじめに対策キーワードを考え、設定しましょう。
対策キーワードはコンテンツの大元となる重要なキーワードですので、しっかり検索ボリュームのあるキーワードを選定しましょう。
ここでは例えば、「民泊 管理会社」を対策キーワードと仮定しましょう。
手順2: ユーザーが知りたい情報を分析し抽出する
次に、設定した対策キーワードをもとにユーザーが何を知りたいのかを考えましょう。
ここでは、検索エンジンのサジェスト機能などを利用してどのようなことが調べられているかを調べることでだいたい想像できますが、その前に自分自身である程度推測することが検索マーケターとしてのスキルを高めます。
対策キーワード例である「民泊 管理会社」を入力するユーザーは果たして何を知りたくてこのキーワードを入力するのでしょうか?
「どんなサービスを提供しているのかな?」
「料金っていくらなのかな?」
「地域ごとにオススメの会社を知りたい」
などではないでしょうか。キーワードツールで確認して見ると、以下のキーワードが表示されます。
「民泊 管理会社」 検索Vol: 200
「民泊 管理会社 登録」 検索Vol: 10
「民泊 管理会社 大阪」 検索Vol: 10
「民泊 管理会社 費用」 検索Vol: 10
「民泊 管理会社 ランキング」 検索Vol: 1~9
少しは予想が外れましたが、まあまあ良い感じで捉えていると思いますww
また、各キーワードごとに以下のようなニーズがあると思われます。
「民泊 管理会社」 ・・・民泊の管理会社を知りたい。
「民泊 管理会社 登録」 ・・・民泊の管理会社の登録方法を知りたい。民泊新法上では、住宅宿泊管理業者として登録方法が明記されているため。
「民泊 管理会社 大阪」 ・・・大阪の民泊管理会社を知りたい。大阪は特区民泊が日本で最も盛んでして、管理会社の需要が高いと想定されます。SEO特有ですが、最近ではモバイルファーストインデックスが採用されていますので、自分のいる位置を自動でブラウザが取得しますので、「民泊 管理会社」と入力しても自分のいる地域の民泊管理会社が表示されますので知っておきましょう。
「民泊 管理会社 費用」 ・・・民泊管理会社の費用が知りたい。
「民泊 管理会社 ランキング」 ・・・民泊管理会社のランキングが知りたい(良い民泊管理会社を知りたい。)
このように、まず「自分で推測」=>「ツールで答え合わせ」の順で取り組むと検索意図をある程度推測できるようになり、かなり力がつきます。ぜひともやって見てください。
手順3: ユーザーが次に悩むことを考え、記事に盛り込む
ここからはさらに上位に表示させるための応用テクニックです。
キーワードツールを活用することで、ユーザーが検索しているキーワード情報を取得することができます。だいたい各記事の内容はこれで決まってしまいますが、これだけでは誰でもできます。
ここから他のコンテンツと差をつけるために、次にユーザーが悩むことを考え、記事に情報を追加的に盛り込むことを意識しましょう。
例として、「民泊 管理会社」なら、関連キーワードデータ以外にも追加2項目を加えて、以下のような構成にするのがいいと思います。
「民泊 管理会社」に盛り込むべきコンテンツ
・住宅宿泊管理業者についての説明(概要、登録・申請方法)
・業務・サービス内容
・サービスに対する費用相場
・不動産との違い(+α)
・依頼する際のメリット・デメリット(+α)
・おすすめの会社のランキング
・記事のまとめ
1つずつ説明しますと、「不動産との違い」についてはよく言われることで、「管理会社」と聞くと、不動産の管理会社を想像する人が多く、こことの違いを知りたいと考える人が多いはずです。
2つ目の「依頼する際のメリット・デメリット」については、実は民泊事業には、家主不在型と家主居住型がありまして、居住型なら管理業者がいなくても民泊を運用することが法的に可能です(もちろん条件はある)。ここであえて、管理会社に依頼する必要があるのかをユーザーは知りたいはずです。そこで加えました。
あくまで僕ならこうしますというコンテンツですが、結構いいのではないかと思います。また、「おすすめの会社のランキング」はコーポレートサイトでは書きづらいので、メディアサイトを想定しています。
検索意図を理解し良質なコンテンツ作成を
本記事では、SEOにおける検索意図(インテント)について説明しましたがいかがでしたでしょうか。
SEOにおける検索意図には次のような特徴がありました。
検索意図のポイント
・検索クエリは検索意図(インテント)に基づいて主に3つに分類される。
・検索意図(インテント)を考慮してコンテンツを制作しなければ、意図しないページにユーザーをランディングさせてしまう恐れがある。
・検索意図(インテント)を盛り込んだ記事コンテンツを作るには、ユーザーの気持ちを想像し、付加的な情報も盛り込むことが大切となる。
上記の3点をきちんと守ることで高品質な記事コンテンツを量産し、SEOで上位検索も狙えると思います。